拝啓 難病になりまして。

ベーチェット病(不全型)の男のブログです。

かくてるこんぺてぃしょん②

さて、今回は前回の続きから

前回はこちら

かくてるこんぺてぃしょん① - 拝啓 難病になりまして。

2次審査では1次審査で応募したオリジナルカクテルを実際に作ることとなる。内容は「名刺代わりの一杯 」各バーテンダーアイデンティティとなるカクテルを創作するのだ。

 

 

控え室では準備が出来次第、係のスタッフに声を掛けていく。各人20分持ち時間があるのだが、何故か係員に準備途中に「早めにお願いします」と声をかけられた。残り10分程はあるのにである。準備後にイメージトレーニングをしているような人間もいるがその声がけによりさっさと本番に臨む事にした。

係員に準備完了を告げ必要機材と材料を持ち順番待ちのラインへ誘導される。ここでプレゼンテーションのイメージをしてみるものの緊張のあまり上手くイメージ出来ないうちにお声がかかり本番ブースへ。

 

審査員を見ると…

うわっ、2010年の世界チャンピオン!

イギリスはサヴォイホテルのヘッドバーテンダーのエリック様ではないですか!

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出典:Wine and the City: Ones to Watch in 2012

 

イ、イケメン過ぎる。

隣のふっくらした婦人は……通訳さんかw

 

そして隣には2013年の世界大会3位!某ホテルのMさん!!(日本人です)

 

戦々恐々としている中、スタッフから「今から5分間でセッティングしてください」と声をかけられる。必要機材や材料をカクテルが作りやすいように素早く配置し、時間目一杯まで準備に抜けが無いか確認。

 

そしてスタッフから声を掛けられ本番スタート!!おもてなしということで普段の営業スタイル通りお客様役の審査員お二人にオシボリをお出しする。そのまんまカクテルのコンセプトやベースの酒の歴史などを絡めたプレゼンをしながらカクテルを作っていく。この時はスコッチをベースに英国紳士をイメージしたカクテルを創作。

もう緊張で手が震えまくり、こんなに震えるのかよっ!?というくらい手が震えてメジャーカップに上手く注げずw ちなみにメジャーカップってこうゆうのですね!

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 審査員もお客様役という事でコミュニケーションの為に会話も織り交ぜながら作っていく。口の方はそれなりに滑らかだが、いかんせん手の震えで零しながら何とか注いでいる始末……とにかく制限時間もあるので作っていくしかないのである。目の前の審査員の存在感に勝手に圧倒され、人生で初めて緊張で胃が痛くなり、そして震えながらも何とか制限時間内にカクテルも作り終えるとお客様役の審査員がカクテルを飲む。飲みながら手元にある採点表らしき物に何かを書き込んでいる。そしてその後はカメラマンがカクテルの写真を撮り退出となった。

 

控え室にて機材や材料を片付けていると致命的なミスをしていた事に気付き更に胃を痛める事になった。そうこうしているとスタッフから続いて筆記試験があるという事でエレベーターで筆記試験の行われるフロアに誘導され向かう。筆記試験の内容は全体的にそれほど難しい物ではなかったが、頭の中はミスで頭が一杯であり思い出すだけで胃がキリキリと痛む。そう、致命的なミスとは材料の分量を間違えていたのだ。分量が違えばコンセプトとはまったく違う味わいのカクテルになり良さは全く伝わる訳がないのである。

そんなショックを引きずりながら僕は帰路につく事になった。当然、審査は落ちてしまったが翌年へのリベンジに心を燃やす事となった。

 

今振り返ると外国人であり世界一のバーテンダーを相手にカクテルを作る経験は中々無い事で非常に良い経験だったなと思う。

それにしてもエリックはイケメン過ぎるな(2回目)

なお、エリックは『007/スカイフォール』と『007/スペクター』のカクテルコンサルタントを務めたようです。さすが世界一に輝くと仕事のスケールが違いますね!何だか最後はエリックの宣伝のようになってしまいました(笑)